2022/05/21多頭飼育崩壊
昨年の12月、柴犬の多頭飼育のレスキュー依頼がありました。
頭数は38頭。現場は長野県。
初めは3頭だった子が122頭まで増えてしまったと聞きました。
現地の保護活動をされている方よりの依頼。
122頭は各地それぞれの保護施設へと受け入れ可能頭数ごとに保護されていき、ハッピーハウスへは最後に残った38頭を
受け入れる事になりました。
12月27日、38頭が施設に到着します。
一軒家に122頭・・・
考えただけで過酷な環境下で生活していたのではないかと思われます。
中には耳が裂けていたり、過去にケガをしたであろう傷跡があったり、
爪は伸びきって、皮膚が悪くカサカサになっている子も多くいました。
圧倒的経験不足により、人を怖がり
お散歩にも行った事がなくリードを付けられるとパニックになります。
年末2日間かけて全頭保護チェックを行い、ワクチン接種しました。
その後様子を見ながら各お部屋へと移動します。
最初は環境の変化のストレスから、ご飯を残してしまう子も多く、
隔離して他の子にご飯を取られないようにしてあげたりとスタッフも大変でした(-_-;)
だんだん日が経つにつれ性格もそれぞれ分かってきました。
が!ほとんどは怖がりです。
自ら人に寄ってきてくれるのは数頭で、しばらくして慣れてくれて寄ってきてくれるようになった子が数頭。。
時間がかかりそうだな~~という子が多かったです。
人に対しての警戒心が薄い子から順番にお散歩の練習を始めます。
初めて首輪とリードを付けて外の世界に出ます。
リードを付けられた事が無い子は自由に歩けない事にパニック。逃げようと必死になります。
リードを付けて「お散歩」というもの理解していってもらう必要があります。
パニックになってしまうと、立ち上がって暴れたり
前足でリードをとろうとしたり、リードを噛みちぎろうとカミカミしたり
ローリングしたりする子もいます。
写真はさなのちゃん。
脱走されないようにワイヤーのリードを付けて3重にして厳重にお外へ出ます。
幸い能勢の山は自然豊か、静かな刺激の少ないコースなので
練習するにはもってこいです!
すぐに理解して歩けるようになる子もいましたが、「お散歩楽しい!」と思ってもらえるまでには
毎日の練習が必要です。
38頭もいますので、、とりあえず歩けるようになるまで順番に練習していきます。
ゆっくり待ってあげるのが良い子もいればスタスタと行ってしまった方がいい子
いろいろと反応を見極めながら方法を変えていきます。
こちらはもろ君。
おっとりとした性格で派手に暴れたりはしませんが、
自分の行きたい方向と違うとボイコット。。
歩かなくなり、リードをかみかみしてしまいます。
引っ張りすぎないである程度もろの行きたい方向に合わせながら
軽く引いて誘導してあげると楽しそうに歩いてくれます( *´艸`)
人が好きなので今は募金犬としてもデビューしてくれました♪
募金活動中も自分の行きたい方向と違ったりするとたまーに
リードをカミカミしてしまうもろ君です。
こちらははくおう君。
ある程度のところまでは少し暴れながらも頑張って歩いてましたが
暴れても無駄だと思ったのか、完全脱力ボイコット。。。
道路の真ん中で寝転んでしまいました。
しばらく待ってから練習再開しました(>_<)
こちらはまむちゃん
ビビりながら隅っこや隠れるところを探すように逃げるように歩き、休憩。
変な体勢になっています(笑)
ひらけたところより、何かに隠れたりしている方が安心できるタイプの子です。
溝に入って休憩。(笑)
性格もそれぞれ、リードを付けた時の反応もそれぞれ。
ほとんどの子は暴れてパニックになる子が多かったです。
反応が強すぎる子、そもそもリードを付けるとこまで近寄れない子もいますので
そういった子はもっと慎重に進めなければなりません。
何度か練習すると静かな山道では歩けるようになってくる子も多くいました。
しかし、新しい飼い主さんへと繋げようと思ったら静かな山道だけではなく
人通り、車通り、いろんな音や刺激にも慣れなければなりません。。
とりあえず、静かな山道をクリアしたら次の子の練習へと入り、
その間に声がかかった子から施設外でのお散歩練習などを
同時進行で進めます。
施設ではたくさんのワンちゃんがいますので、毎日みんなの練習をする事ができません。。
ご希望するワンちゃんがお散歩に少し慣れる必要があったとしても
毎日の日課で練習していれば慣れてくれます♪
そのうちお散歩大好き!になってくれるかもしれません!(^^)!
里親へ行った子でもそういった報告もよく頂けています!
今までは家の中でたくさんの犬たちと生きる事で精一杯だった子たち。
これからはもっともっと外の世界や人の温もりを知って欲しいです。
そのために、頑張らないといけない事も慣れないといけない事もたくさんあります。
すべては幸せになるために。幸せになってもらうために。
多頭飼育崩壊、ブリーダー崩壊など、一気にたくさんの犬猫達が保護されてくる事があります。
最初は数頭だった・・・いつの間にかこんなに増えてしまった・・など
そういった事が起きないように、施設では去勢・避妊手術をしっかりする事を行っています。
病気の予防にも繋がります。
こういった事態が1件でもなくなりますように。。
是非、この子達に外の世界の楽しさや人の温もり、愛情を
教えて頂ける方、会いに来てください~!(^^)!