2025/10/01野犬との共存の道
過去の新聞(2025年1月7日付朝日新聞朝刊)に、野犬によるトラブルに関する記事
が掲載されていました。
記事によりますと、人にかみついた野犬の数は1986年度までは年間千頭を超えてい
たそうですが、その後減少傾向が続き2011年度以降は年間100頭を下回っているそう
です。
ただ、北海道東部では近年家畜の牛が野犬に襲われる被害が相次いでおり、別海町
では特定の野犬の群れによる行為とみて箱罠を仕掛ける等されているそうですが、野
犬は警戒心が強く捕獲は難しいそうです。中には牧場を経営されている方が家畜の牛
を熊等の野生動物から守るために野犬を餌付けしているケースもあるそうで、餌付け
された野犬が寒さをしのぐために牧場の片隅や倉庫等で出産し個体数が増えていると
みられているそうです。一方、同町近隣の浜中町で犬の保護活動をされている「しお
んの会」では、野犬でも生後2カ月頃までに人と触れ合えばペットとして十分飼える
として、保護した野犬の子犬(生後3カ月~6カ月程度)の譲渡活動もされているそう
です。
そして複数の地方都市では野犬によるトラブルが深刻化しているそうです。
茨城県茨城町では2021年以降野犬に関する通報が増え、ビニールハウスが破られる
被害もあったそうです。そこで2024年11月までに681頭を箱罠等で捕獲した結果野犬
の群れは見られなくなったそうです。
又山口県周南市では過去5年の当初予算で「野犬等対策事業」として合計4466万6千
円を計上して、「餌やり禁止キャンペーン」や「去勢費用の補助」や「犬の譲渡活動
の補助」や「遠隔操作可能な大型捕獲用おりの導入」や「野犬情報を通報できるアプ
リの作成」に取り組まれ、2023年は年間千件以上の野犬情報の通報があったそうで
す。
又岡山市は毎年150頭程の野犬を保護され、2017年度以降は殺処分をせず、2020年
以降は「人馴れ訓練プロジェクト」としてボランティアの方等が野犬(成犬)を譲渡
会に向けて訓練されて平均約3カ月で散歩等が出来るようになるそうです。
こうした野犬によるトラブルの深刻化の原因として、野犬の個体数は増えていない
ものの餌付けにより野犬が人家の近くまで来る事が増えた可能性が考えられるそうで
す。
そもそも野犬を愛護動物として扱うか害獣として扱うかの線引きは難しいそうで自
治体では対応に苦慮されているそうですが、環境省では野犬でも人の居住地域で行動
している場合は原則として愛護動物として扱うべきとしているそうです。
野犬もノネコと同様に元はといえば逃走したペットが野生化した可能性があるよう
です。事故や逃走を防ぐためペットの放し飼いはやめ、野犬を餌付けする場合は去勢
避妊手術もセットで考えるべきかもしれませんね。
寄付送迎:堀口