2024/10/01続)クマとの共存の道

過去の新聞(2023年12月27日付朝日新聞朝刊、2024年2月9日付朝日新聞朝刊、2024
年4月17日付朝日新聞朝刊)に、クマの指定管理鳥獣化に関する記事が掲載されてい
ました。
2023年12月27日付の記事によりますと、2023年は全国的にクマによる人身被害が相
次いだ事を受けて、被害地域の各自治体は被害防止対策としてクマの捕獲や駆除を検
討している模様です。そのため、東北6県と北海道、新潟県による「北海道東北地方
知事会」は2023年11月、費用が大きな負担となる捕獲や生息状況調査に国の交付金が
出る「指定管理鳥獣」にクマを追加するよう環境省に対して要望したそうです。これ
を受けて環境省は2023年12月26日、「指定管理鳥獣」にクマを追加するかどうかを話
し合う専門家会議の初会合を開いたそうです。
環境省の告示では「指定管理鳥獣」の対象は「全国的に生息域が著しく増加または
生息地の範囲が拡大している鳥獣」としているそうです(現在はイノシシとニホンジ
カが対象)が、環境省によるとクマの分布域の増減率には地域差があり、2003年から
の15年間で北海道129%増、東北134%増、中国270%増である一方、四国88%減(生
息数20頭程度)、九州は既に絶滅しているそうです。この様にクマの生息状況は地域
により差があり、四国では「指定管理鳥獣」にクマを追加すると絶滅につながる恐れ
があるので、地域に応じた個体数維持等を論点として環境省が2024年春にも判断する
としていました。
そして2024年2月9日付の記事によりますと、環境省は2024年2月8日、既に絶滅した
九州と絶滅する恐れのある四国地方を除き、「指定管理鳥獣」にクマを2024年4月に
も追加すると明らかにしたそうです。2024年2月8日に専門家会議がまとめた対策方針
では、「北海道と本州のクマを指定管理鳥獣に追加する」「人とクマの生活圏の間の
緩衝地帯の管理を強化する」「クマを誘う原因になるような、集落で放置された果実
や生ゴミを除去する」「禁止される市街地での猟銃使用について、警察とハンターの
連携の確認や法改正も含めた検討をする」等があげられたそうです。また、会議では
クマの個体数に地域差があることから過度な捕獲にならないような仕組みを求める意
見が出たため、都道府県にはまずクマの個体数や分布を把握する態勢の構築を求め管
理計画を作ってもらうそうです。
そして2024年4月17日付の記事によりますと、2024年4月16日に環境省はヒグマとツ
キノワグマを「指定管理鳥獣」に追加したと発表したそうです。そして農林水産省や
国土交通省とともに既存の補助事業を整理して「人と森の動物の緩衝帯の整備や電気
柵の設置」「クマ出没時の対応マニュアル作成や訓練」「自治体におけるクマ対策の
専門的な人材や捕獲技術者の育成・確保」等を支援するそうです。そして過度な捕獲
は生態系に悪影響を与える恐れがあるため、都道府県にはまず個体数や分布状況の
データを集められる態勢を整えてもらうそうです。
クマの被害防止対策は必要ですが、気候変動の影響で主食の餌が激減する等クマは
人間による環境破壊の犠牲者でもあります。各自治体におかれましては安易に駆除の
道に頼ることなく管理計画を作って頂きたいと思います。

寄付送迎:堀口

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