2021/07/03吾輩は犬である。
吾輩は犬である。 名前は三ツ星。 ただ今毛繕い(注1)をされておる。 吾輩は毛が長い。冬には自慢のコートとなるが、暑い夏にはとにかく不向きである。 故に吾輩はまもなく毛を刈られる(注2)のである。 その準備として今、ひねくれ者が吾輩を毛繕いしている。吾輩、こう見えて案外抜け毛は少ない。だが、その長さ故によく毛が絡まり、また落ち葉や木の枝も絡まる。 ひねくれ者が悲鳴をあげながら毛をほどいていく。背中を毛繕いされるのは嫌いではない。吾輩もひねくれ者の膝の上で大人しくしておる。 お腹側も吾輩をゴロンとひっくり返してほどいていく。待て、吾輩、お腹をいじられるのは好きではない。写真だけしっかり撮られたら暴れてやる。ひねくれ者がまた悲鳴をあげる。いい気味だ。 だがひねくれ者も負けてはいない。吾輩がどんなに暴れてもしつこく毛をほどいてくる。 ひねくれ者との死闘も終わり、翌日吾輩は、髪結い床の次男坊によって厚手のコートを脱がされた。 どうだ、こんなにスマートになったではないか。 ん?なんだと?顔がデカイ? うるさい。吾輩はもともと頭でっかちなのである。 ※文章の雰囲気のために表現が独特になってしまっているので誤解を生まないよう注釈をつけておきます(笑)。 (注1)毛繕い・・・ブラッシングのことです (注2)毛を刈られる・・・サマーカットのことです
飼育班:島田