2024/11/30交雑の是非
過去の新聞(2024年3月22日付及び2024年5月29日付朝日新聞朝刊)に、国の特別天
然記念物オオサンショウウオの交雑についての記事が掲載されていました。
記事によりますと、環境省は2024年3月、オオサンショウウオの交雑個体(日本在
来種のオオサンショウウオと外来種のチュウゴクオオサンショウウオとの交配から生
まれた個体)を外来生物法に基づく特定外来生物に指定する方針を固め、そして2024
年5月28日、同交雑個体をチュウゴクオオサンショウウオと共に2024年7月1日から特
定外来生物に指定すると発表されたそうです。特定外来生物に指定されると原則とし
て移動や飼育や譲渡や販売等が禁止され、自治体は国の支援を受けて駆除ができるよ
うになるそうです。
もともとチュウゴクオオサンショウウオが国内にやってきたのは1960年代以降に食
用にしようとして持ち込まれたのが始まりといわれ、その後飼育されていた個体が野
外に逃げ出し国内の河川に定着したそうです。そして在来のオオサンショウウオとの
交配が進み、環境省によるとオオサンショウウオの交雑個体は2024年3月時点で9府県
で確認され、その分布は拡大傾向にあるそうです。
記事によりますと、外来種と在来種が交雑するとその地域ならではの生き物の遺伝
子がかく乱され地域特有の生態系が失われる恐れがあり、このまま交雑個体の分布や
繁殖が広がると日本固有のオオサンショウウオが事実上絶滅に至る可能性もあり、直
接的に影響が見えなくても人の暮らしや文化を支えてきた生物多様性の喪失につなが
る可能性もあるそうです。
しかしながら、です。交雑自体は当事者(在来種のオオサンショウウオと外来種の
チュウゴクオオサンショウウオ)の自由意志で行われているものであり、その結晶と
もいえる交雑個体を駆除するのは交雑したオオサンショウウオの意思に反するとはい
えないでしょうか。拒絶反応も無く交雑が進むのはある意味自然現象とはいえないで
しょうか。
人間の国際交流は認められても人間以外の生物の国際交流は許されないということ
でしょうか。
交雑個体(及び外来種)の駆除に違和感を抱くのは私だけでしょうか。
寄付送迎:堀口