2025/12/08動物の危機はみんなの危機?

過去の新聞(2025年4月11日付朝日新聞朝刊)に、日本国内で初めて野生ヘビから
真菌(かび)の感染症「ヘビ真菌症(SFD)」が確認されたという記事が掲載されて
いました。
記事によりますと、ヘビがSFDに感染すると、ヘビの皮膚が異常に厚くなったり脱
皮がうまく進まなかったりして摂食行動もおかしくなり、致死率は40%にものぼるそ
うです(人間がSFDに感染する危険性を示す報告はないそうです)。
具体的には、与那国島(沖縄県)で2019年に採取されたヨナグニシュウダ(与那国
島のみに分布する日本固有亜種で絶滅危惧種のヘビ)の冷凍保存体を2024年に遺伝子
検査してSFDが判明したそうです。
また、長野県で見つかったジムグリというヘビの抜け殻からSFDの原因菌が見つか
り、南西諸島にすむサキシマスジオというヘビのSFD感染個体が死んでおりSFDが大き
く影響しているとみられるそうです。その他、SFD感染が疑われる個体も複数出てい
るそうです。
SFDは感染したヘビから土等を通じて他個体に感染するとみられており、真菌は(環
境の変化に強く)長く自然界で生き残り感染機会が多いため、ヘビの種の減少・絶滅
や生態系への悪影響も心配されるそうです。
ヘビ以外の生物の真菌症として過去には、カエルの真菌症「カエルツボカビ症(カ
エルの皮膚上のたんぱく質が分解されて、皮膚が硬くなって皮膚呼吸や体温調整が出
来なくなり、皮膚の免疫機能が低下する等して死に至る)」が世界中で猛威を振るい
約90種のカエルの絶滅や約500種のカエルの減少につながったり、コウモリの真菌症
「白い鼻症候群(コウモリの鼻や口の周りに真菌が生えて白っぽく見える)」が北米
で拡大し、農作物の害虫を食べるコウモリの大量死を引き起こした結果(農作物の害
虫が増えて?)農作物の販売収入が減少し、農家が農薬の使用量を増やしたところ地
域の乳児死亡率が上昇し、農薬使用量の増加による人体への悪影響と考えられている
そうです。
生態系は自然界でつながっており、巡り巡って私たち人間にも何らかの影響があり
うるということですね。自然界の出来事にも自分事として関心を寄せた方がよいのか
もしれません。

 

寄付送迎:堀口

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