2025/11/07伝統行事と動物愛護

過去の新聞(2025年2月27日付朝日新聞朝刊)に、馬の伝統行事が動物愛護法違反
容疑で刑事告発・書類送検されている記事が掲載されていました。
記事によりますと、北海道帯広市の(重りを載せたそりを引く)「ばんえい競馬」
が「障害となる山で動けなくなった馬の顔を数回蹴った」として2021年8月に北海道
警察が騎手らを動物愛護法違反容疑で書類送検したそうです(その後不起訴処分。な
お、2021年04月21日付弁護士ドットコムニュースによりますと、帯広市ばんえい競馬
は2021年4月、当該騎手に対し厳重注意を行ったうえで戒告処分としたそうです。本
人も反省して当面の間騎乗を自粛した模様です)。
又、岩手県遠野市の(重りを載せたそりを引く)「東北馬力大会馬の里遠野大会」
が「金属がついた手綱で馬の顔をたたいた」として2022年5月に岩手県警察が男性を
動物愛護法違反容疑で書類送検したそうです(その後不起訴処分)。
又、三重県桑名市の(急勾配の坂を馬が駆け上る)「上げ馬神事」が「暴力的な行
為をした」として2024年9月に三重県警察が神事関係者12人を動物愛護法違反容疑で
書類送検したそうです。
又、宮城県涌谷町の(重りを載せたそりを引く)「東北輓馬(ばんば)競技大会」
が「むち等で馬の背中や尻を繰り返し叩いた」として2025年1月に宮城県警察が大会
出場者10人を動物愛護法違反容疑で書類送検したそうです。
いずれも動物愛護団体等による刑事告発によるものだそうですが、この内「東北馬
力大会馬の里遠野大会」は2023年にルールを改定したもののその後も刑事告発があっ
たため、2025年2月に「今後の大会の方向性を決めるため」2025年の開催中止を決め
たそうです。
又、「東北輓馬競技大会」は近年では必要以上の殴打を禁じて主催者側が準備した
馬体に優しいむちを使うルールに変更したそうですが、刑事告発を受けて、むちや手
綱等で馬を殴打した場合は失格とする等のルールを策定した上で2025年も大会は開催
すると決めたそうです。
又、「上げ馬神事」は坂を駆け上がった馬が挑む高さ約2mの土壁越えを、馬の負
担を減らすため2024年から無くしたそうです。
地域に根付いた伝統文化と動物愛護の精神との摩擦は世界各地で生じているようで
す。動物の生存権について考えるきっかけになればと思います。

寄付送迎:堀口

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