2023/06/10マダニ感染症に御注意を

過去の新聞(2022年5月22日付朝日新聞朝刊)に、人や犬や猫に感染するウイルス性出血熱(重症熱性血小板減少症候群=SFTS)についての記事が掲載されていました。
記事によりますと、SFTSは鹿や猪やアライグマ等の野生動物からマダニ(フタトゲチマダニ)の媒介によって人や犬や猫に感染し、発症すると人の場合嘔吐や下血や発熱等(犬の場合食欲低下や発熱等、猫の場合食欲低下や発熱や黄疸や下痢等)がみられ、致死率は人2割以上、犬3割、猫6割以上に達するそうです。
近年野生動物の生息域拡大や頭数増加に伴い、人やペットへの感染確認地域も拡大傾向にあると考えられており、人への感染は日本では2013年に初めて確認され、2021年には過去最多の109人が報告されたそうです。そして犬や猫への感染は2017年から2022年3月までに西日本を中心に犬24匹、猫449匹の感染が確認されているそうです。
又、発症した動物(ペット等)の体液に触れたりかまれたりしても感染するそうですので注意が必要です。
対策としては、犬の散歩の後には体にマダニが付いていないか確認し、飼い猫は室内飼いを徹底し、ペット用ダニ駆除剤も使用しながら、体にマダニが付いていればできるだけ動物病院で除去してもらった方がよいそうです。
そして人の場合SFTSの動物と関わって2週間以内に発熱があれば医師にその旨を伝えた方がよいそうです。
又、別の新聞(2022年5月27日付朝日新聞朝刊)には、その他のマダニ感染症についても記事が掲載されていました。
記事によりますと、日本国内だけでも今でもマダニが媒介する新種の病原体が発見されており、記事には例として6種のマダニ感染症が記載されていました。

・ライム病:①例年の確認数 10~20人②主な症状 発疹、疲労等③致死率 死亡する事がある④発生する主な地域 北海道中心に本州中部でも
・ダニ媒介脳炎:①例年の確認数 5人以下②主な症状 頭痛、昏睡等③致死率 20%以上④発生する主な地域 北海道
・SFTS:①例年の確認数 100人②主な症状 発熱、嘔吐、下血等③致死率 20%以上④発生する主な地域 西日本中心から東へ拡大
・日本紅斑熱:①例年の確認数 300人②主な症状 頭痛、発熱等③致死率 数%④発生する主な地域 西日本中心からほぼ全国へ拡大
・回帰熱:①例年の確認数 5~10人②主な症状 悪寒、発熱等③致死率 10%以下④発生する主な地域 北海道
・エゾウイルス感染症:①例年の確認数 5人以下②主な症状 発熱、血小板減少等③致死率 死亡例の報告なし④発生する主な地域 北海道

共通する特徴としては、潜伏期間の上限が1週間~数週間と長いため、登山や山菜取りなどで山林に分け入った場合はしばらく注意が必要だそうです。
野生動物からは様々な病原体に感染する可能性がありますので、野生動物とは適度な距離感を保った方が良さそうですね。

寄付送迎:堀口

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