2019/07/16ベトナムの食文化事情
先日の新聞(5月3日付朝日新聞)にベトナムの犬食文化についての記事が掲載されていました。
記事によりますと、ベトナムでは庶民の方々が伝統的に犬を食されており、その消費量は中国に次ぐ世界第2位の年間500万匹にのぼるそうです。
食用犬の調達先はベトナム南部やタイやカンボジア等だそうです。
ところが近年、鶏や牛と同程度であった犬肉の価格がこの10年で約4倍に高騰しているそうです。
理由は近隣国からの食用犬調達が困難になってきているからだそうで、タイでは5年前に成立した法律で犬を食用にするために殺すのが事実上禁止され、タイからラオス経由での犬の輸出も取り締まり対象になったそうです。
そしてベトナム国内でも首都ハノイの人民委員会が昨年9月に「犬猫を殺したり売買したり食べたりする事は残酷で文明化・近代化した都市として観光客らに悪い印象を残すので、犬猫の肉を食べないように。」と呼びかける声明を出したそうです。
背景にはベトナム内外の動物愛護団体の働きかけがあるそうです。
「野良犬や飼い犬が許可なく集められて残酷に殺されている」として、複数の動物愛護団体からなる「アジア犬保護同盟」が4年前から署名を集め、ベトナムに犬肉の流通や消費を禁じるよう促してきたそうです。
そしてベトナムでは狂犬病対策が万全ではなく昨年は86名の死者が出ており、食用犬の運搬や解体の際に感染する恐れもあり、犬食文化は狂犬病対策の上でも問題があるとの事です。
私は日常様々な肉類を頂いておりますが、人の業から成る文化とは様々な事情から移ろいゆくものであると改めて思うのでした…。
寄付送迎:堀口