2021/08/15フィガロっ仔??つー&めー
2021年5月20日。
老犬介護部屋・・・通称「フィガロ」内に燕が巣を作り出した。
室内にはフィガロっ仔の写真を掲載しているのだが、その写真に作ろうとする燕たち。
5月21日。
巣が完成したら、写真ともども落下しないか??
燕の糞は老犬に被害を与えないのか?
夜はドアや窓を完全に閉めて帰る・・・燕たちは出入りが不可能になるが、問題ないのか?
スタッフ達で『あーだ・こーだ』言いながら、写真ともども巣が落下するのはどうしても避けたいとの決断で、申し訳ないが、巣作りを阻止させてもらった。
5月23日。
賢い、燕たち。
ここならいいんじゃない??と、フィガロ内のライトの上に朝から作り始めた。
こちらも布を置いて、阻止したのだが、それが功を奏した??のか、着々と完成させていく。
たった、半日でこの完成度。
負けた・・・(笑)
とりあえず、土や木の枝が落ちて、食器類が汚れてしまわないようにカバー。
5月24日。
昨日の帰り道、突っ張り棒を購入してきた。
その上に、施設にあった、プラスチック製ダンボールを置いた。
燕たちは、一生懸命巣作りを。
フィガロっ仔の為にも、夜はドアや窓を閉めたいが、燕たちが入って来ず、入ってくれるのを待ったり、宿直スタッフに、燕たちが入ったら閉める事を頼んだり。
パラソルの上に止まる事が多いのは、夕方。
名前は『つー』『めー』に決めた。
『つーちゃん』は、細身だ。『めーちゃん』は、少しぷっくりしていて、目の下に模様がある。
5月27日。
ほぼ完成。
5月30日。
ダメな事は分かってはいるが、覗いてみたくなる。
手足の長いスタッフが手を伸ばして、携帯でパシャリ。
1個発見。
6月4日。
4個発見。
ふわふわの毛で守られている卵たち。
それからは温める毎日。
ふたりが出たり入ったり。
まだ生まれないね。
どれくらいで誕生するのかネットで調べるスタッフと、わくわくと心待ちにするスタッフ。
6月18日。
きっと1羽生まれた。巣の淵に立って、『つー』と『めー』は話しかけている・・・ような気がする。
6月19日。
卵の殻が2個落ちていた。
6月30日。
顔がよく出ている。
灰色から黒っぽくなってきたのが、よくわかる。
7月7日。
巣の淵に立っている。今日か?明日か?
羽ばたく瞬間が見たくて、より気にして帰る毎日。
『つー』と『めー』はこまめにご飯を運ぶ。
普段静かなのに、『つー』&『めー』が来ると、ピーピー??喋る子供たち。
あっ、という間の成長だった。
7月9日。
出勤すると巣はもぬけの殻。
音に出すと、『がぁ~ん』である。。。
1瞬にして、そんなに飛べてしまうのにはびっくりだ。
もう少し、室内で練習するのかと思っていた。
7月11日。
朝から居ない。日中も居ない。18時過ぎると、5羽集まる。
『つー』と『めー』と、子供たち。
7月15日。
フィガロ内にて、1羽が不慮の事故に合う。どうしたものか、、、
フィガロ内で巣を作らせた事がいけなかったのか。
イヤ、『つー』と『めー』が決めたんだ・・・と、思うようにする.
とりあえず、ケージにチモシーを敷いて、入れて様子を見る。
【飛べる鳥が飛べないのは死を意味する】
【野鳥だから】
【仕方ないよ】
そんな声がちらほら。。。。
分かってはいるが・・・どうしたものか。
ネットで調べて、ブドウ糖を与えたり、、、ミルワームを与えたり。
7月16日。
親や兄弟たちが廻りをパタパタと飛ぶ。
その度、返事をする『くりのすけ』
飛びたくて、飛びたくて、二段ベッドの上段を必死に動き回る。
そぉ。この仔は『くりのすけ』と、名付けた。
7月18日。
20時頃『くりのすけ』は旅立ちました。
宿直スタッフから連絡が来た。
翌朝、フィガロハウスから見える場所に埋葬した。
申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
埋葬し終え、朝の掃除の作業を再開しようとしたら、フィガロの庭で声がする。
あっ、パラソルの上!!
パシャリと数枚撮影したら、遠く羽ばたいて行った。
『つー』かな。『めー』かな。子供たちかな。
守ってやれなくて、ごめんね。
また、来年会えるかな。
介護犬班:小林