2024/03/02カンムリワシとの共存の道

過去の新聞(2023年9月5日付朝日新聞朝刊)に、国の特別天然記念物「カンムリワ
シ」に関する記事が掲載されていました。
記事によりますと、カンムリワシは日本国内では沖縄県の石垣島と西表島だけで繁
殖する絶滅危惧種で、種の保存法で捕獲や損傷が原則禁止されているそうです。
中でも石垣島での推定生息数は2012年の環境省調査で約110羽だそうですが、その
石垣島では2006年に唯一の18ホールのゴルフ場が閉鎖されたこともあり観光振興に向
けたゴルフ場開発の待望論が経済界等にあり、「発展にはある程度の開発が必要」と
石垣市の後押しもあって島の南西部に大規模なゴルフ場付きリゾート計画が進んでい
るそうです。
ところが、この計画予定地はカンムリワシの繁殖地である可能性が指摘されていて
13羽のカンムリワシの生息が確認されているそうです。また、この予定地はラムサー
ル条約登録湿地である「名蔵アンパル」の水源域でもあり、リゾートができればホテ
ルやプールの水のために1日約700トンの地下水をここからくみ上げるそうで、取水に
よる地下水の塩水化やアンパルの生態系への影響が懸念されているようです。開発事
業者は「カンムリワシの営巣が見つかれば巣立ちまで周辺工事を中止する」としてい
るそうですが、十数の環境保護団体は環境保全策が不十分であるとして計画の見直し
を求めているとの事です。
ここでも経済発展が支えている現代人の生活と自然環境との共存の難しさを思い知
らされます。

寄付送迎:堀口

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