2025/10/039月 28日 兵がJATを卒業しました!

兵は2021年末に柴犬の多頭飼育崩壊で長野県から38頭の仲間たちと一緒に保護されて、ハッピーハウスにやってきました。一軒家の中で100頭以上の同胞たちとひしめき合い、十分な飼育も愛情も得られないまま生きてきました。保護時点で推定7歳。それまでに家庭犬として経験し学んでおくべきことをほとんどしないまま多感な時期を過ごし、攻撃性はないものの警戒心の強い人懐っこさのない男の子でした。それから3年あまり、仲間たちは次々に里親さんのもとに引き取られていきます。地味でおとなしい兵はハッピーハウスの片隅で取り残されたまま年を重ねていきました。

最初は外犬舎で暮らしていた兵ですが、寄る年波も考慮して犬ハウスへ。犬舎の出し入れで抱きかかえると、やはり人が怖いのか大暴れです💦とはいえ、人との距離が多少縮まったのか、ドッグランでおやつをもらいたくて近づいてくるようになりました。そこで、訓練犬にアサインされ、家庭犬として生きていくためのお散歩や体のケアの練習を頑張ってくれました👌詳しくは訓練日記「兵くんのがんばり日記」をご覧ください。途中で足のケガに見舞われたりもしつつ、予想外の優秀さで、着々と課題をクリアしていってくれました。

 

そんな中、あるご夫婦が犬を探しに施設に足を運んでくださいました。長く飼われていた柴犬の女子を介護の末に亡くされ、同じ赤柴の女の子を探しに来られたのでした。HPで目当ての子2頭を定めてご覧になられたのですが、その子たちは人慣れができておらず、犬小屋に逃げ込んでしまい、お眼鏡にはかなわないままお帰りになりました。入れ違いに兵の散歩練習から帰ってきた訓練士は、ぜひ兵を勧めてほしかったと受付にお伝えしたところ、即、そのご家族様に電話をして「兵はどうですか?」と聞いてくださいました。すると、念ずれば通ずるのか、ご主人様も「ちょうど訓練日記を見て兵が気になっていた」とおっしゃって下さり、奥様を説得して兵に会いに来てくださいました😊

とはいえ、怖がりの兵のこと、気に入っていただけるものかしら…と迎えた初対面。案の定、引き気味の兵に、ご夫婦は「かわいい!かわいい!」の連呼を下さり、「この距離感が柴距離でいいんですよ」と訓練士よりもはるかに深い理解を示してくださいました。それからは、毎週、お散歩とふれあいに来てくださり、少しずつ兵との距離を縮めてくださったのでした❤️

 

そしてトライアル。初めてのお家に、兵は大緊張😥恐る恐る玄関に入ります。通されたのは兵くんのお部屋。ケージやベット、クレート、食器など、至れり尽くせりでご準備頂いています。うらやましい限りですが、兵はちっとも落ち着かず、隙あらば逃げ出そうと扉のあたりをうろつきます。そんな兵を微笑みながら温かく包み込むご主人様。随分前からこの日を楽しみしていたと、兵のプロフィールや訓練日記を印刷して、小冊子を作成し、ご近所の方々に紹介してくださっていたそうです。愛情の深さに、ありがたく、頭が下がるばかりです。

     

しかも、トライアルが始まって間もなく、トライアルチェックで見つかった目のマイボーム腺腫の手術にハッピーの診療所に連れてきていただかなければなりませんでした💦手術は無事に終わったのですが、術後の管理のご負担をかけることになってしまいました。目を掻かないようにエリザベスカラーをつけっぱなしにしなければならないのですが、兵はカラーをつけたままだとお水もご飯も口にしません。一度外してみていただいたところ、速攻で目を掻き、獣医の先生から大目玉をいただきました。そんな時でも「たとえ兵くんが失明しても最後まで面倒を見ます!」とおっしゃってくださり、兵との根競べでカラーストレスを克服していただきました。

 

それからも、おなかを壊したり、嵐の中のお散歩をせがんだり…波乱に富んだ1ヶ月間のトライアル。そんな苦労もものとはせず、ご親族はもとより、ご近所さん、通りすがりの高校生にまで、兵のかわいさをアピールしてくださり、相変わらずの柴距離にもかかわらず、一躍アイドル状態だそうです。里親手続きでハッピーに来ていただいた時には、手厚いお手入れで毛並みははふわふわ、しっかりお散歩もしてくださっていたので、足裏のパッドもしっかりして、見違えるよう。何よりもご主人の顔ばかり見つめて、濃厚な信頼関係を築かれていることがよくわかりました。これで、安心して兵をお任せできます。素敵な飼い主さんに出会えて、本当によかったね😊

 

名前は兵のまま。名前にちなんで(?)ヒョウ柄の首輪とリードを買ってもらい、よく似合っていました💕

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