2025/04/29野生イルカとの共存の道
過去の新聞(2024年9月15日付朝日新聞朝刊)に、福井県沿岸の複数の海水浴場等で海水浴客が相次いで野生イルカにかまれる等して負傷した問題に関する記事が掲載されていました。 記事によりますと、2022年~2024年に合計53人の方が野生イルカに手足をかまれたり体当たりされたりして負傷されたそうです。いずれの場合も目撃されたイルカは1頭だけで、2020年夏に石川県珠洲市に現れて「すずちゃん」と呼ばれた個体と背びれの傷が酷似しているそうです。このイルカはミナミハンドウイルカの雄とみられ、好奇心旺盛で群れからはぐれた個体が社会的な接触や刺激を求めて人に執着して近づいている可能性があるそうです。そして人に近づくとその人が相手をしてくれたり慌ててバタバタする反応が面白いので、行動がエスカレートしたのではないかとの事です。 この「すずちゃん」らしき個体は今後40年程生きる可能性があり、仮に捕獲しても特別なスペースと膨大な維持費が必要となり、又水族館で別種のイルカと混泳させると交雑のおそれがあり、又野生のイルカの群れに合流させるとかみ癖が他の個体にうつりダイバーや潜水漁師に危険が及ぶ可能性があるそうです。 従って解決策としては、海水浴中にイルカを見かけたら派手な動きをせず陸に上がり「浜に近づいても面白い事が無い」という状況を徹底し、人慣れしたイルカの行動を数年以上かけて変えるしかないそうです。 野生動物との共存には特別な知恵が要るようですね。
寄付送迎:堀口