2022/04/05石橋を叩いていたら落とされた

吾輩は悩んでおる。
目の前に遊び道具があるのだ。遊びたい。
ただ、どうしても届かない。

申し遅れた。吾輩は犬である。
名前はクロロ。
施設見学をされたことがある方は吾輩の姿を見たことがあるかもしれない。
ここぞとばかりにひねくれた恐竜オタクやちょんまげがボールやおもちゃを投げてくるので、仕方なく吾輩が遊んでやっているからである。繰り返すようだが、あくまで仕方なくである。

さて、話題を戻そう。吾輩は悩んでおる。
ひねくれ者が今日はいつも以上にひねくれておる。
いつもはおもちゃを遠くに投げたり、手に取りながら吾輩と綱引きをしたりするだけである。
しかし今回はたいそうひねくれておる。いつもは吾輩が入らない謎の空間におもちゃを放り投げたのである。


この空間には普段は何やら冷たい形のない透明なものがバシャバシャしておる。だが今日はない。
そこに放り込んだのである。吾輩はいつも縦横無尽に走り回っているように見えて実はよく考えておる。
入ったことのない空間には慎重になる。
吾輩が、ひねくれ者とせっかく遊んでやろうと思ったのに、吾輩が慎重になっている姿を見てケラケラしている。ちょんまげはと言うと、同じくケラケラしている。

吾輩はおそるおそる近づく。もう少しのところで届かない。そうこうしているうちに、ふと身体が勝手に謎の空間に落ちた。


おもちゃには届いたが、何が起きたのだろうと振り返ると髪嵐が笑っておる。
ひねくれ者といい、ちょんまげといい、髪嵐といい、何という奴らだ。

何?そもそもそこまでしておもちゃを取らなければならないのかだと?
吾輩はあの者たちと遊んでやらなければならない忙しい身なのである。

飼育班:島田

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