2019/07/29悲しい出会い

ステラーカイギュウという動物をご存知でしょうか?絶滅してしまった海の哺乳類です。人魚のモデルとされるジュゴンの仲間です。ただし大きさは桁違い。ジュゴンが全長3mほどなのに対し、ステラーカイギュウは8m前後。
1741年、遭難した探検隊が発見しました。動きが鈍く、肉が美味で寒冷地帯に適応した厚い脂肪や毛皮を持つステラーカイギュウは探検隊の格好の標的となりました。探検隊は無事生還し、探検先で発見した生き物を紹介します。ステラーカイギュウもその中の一種。その情報を得たハンターは、肉や毛皮、脂肪を求めてステラーカイギュウの乱獲を始めます。
もともとすばやく動けないステラーカイギュウにはハンターから身を守る術を持っていませんでした。しかも群で生活するステラーカイギュウは、仲間が傷つくとそれを助けようと他の個体も集まってくるという習性を持っており、これもハンターには好都合となってしまいました。
1741年に発見されたステラーカイギュウは、1768年にはその姿を見ることができなくなりました。発見からわずか27年で絶滅したのです。
もし人間と出会っていなかったら、もし見つかった時代が違っていたら、もししっかりした保護対策が立てられていたら…。
ドードー、スティーブンイワサザイ、リョコウバト…。人間と出会わなかったら今も生き続けていたかもしれない動物たちはたくさんいます。
しかし、人間と出会ったことで不幸な運命から救われる動物たちもいるはずです。ハッピーハウスに来た子たちはそうだと思うし、そうであって欲しいと思っています。人間によって悲しい運命を迎える動物たちがいない世の中を目指していきたいものです。

多くの生命を支える海。ハッピーハウスの受付にはそんな素晴らしい名前を持った「うみちゃん」がいます。

お客様だけではなく、スタッフにも癒しを与えて支えてくれるうみちゃんに是非会いに来てください。

飼育班:島田

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